FM岩手にて毎週金曜日夜9時からオンエアーしている番組「DJの主張」のブログです。


by djnoshutyou
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

劇的?薬事法改正。


薬事法とは。
昭和35年(1960年)8月10日に施行された日本の法律。
この法律は、日本国における医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器に関する運用などを定めた法律です。
少し具体的に第一条を一部ご紹介しましょう。

第1条(目的)
この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性
及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、
医療上特にその必要性が高い医療品及び医療機器の研究開発の促進のために
必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

というのが第一条の条文です。
なんのこっちゃって感じですが、要は薬、化粧品、と、医療機器の使用と開発を
きちんと管理して、よりみんなの健康を守れるようにして行きますよ、
という法律なんですね。
詳しく見ていくと、広告表現の制限が表現の自由と拮抗する部分もあるなど
他の法律同様、かなり難しい法律です。

実はこの薬事法は今回改正され、その新しい改正薬事法が6月に施行される予定です。その改正薬事法、施行前に省令という形で一般に公表されるのですが、
その内容が、物議をかもしています。検討会はかなりもめています。

ここまで聴いていて、難しくてわからない、という方もいらっしゃるかもしれませんが
ちょっとついてきてくださいね。
皆さんの生活に結構深く関わってきますよ。





今回の改正薬事法が検討会で長く議論になっているのは、その改正内容の一部が
大きな原因となっています。

その一部とは、大衆薬の通信販売の禁止、についてです。

現在、厚生労働省が改正薬事法の省令で定めている内容を先にご紹介しましょう。
まずは医薬品を第一類、第二類、第三類、に分類します。

分類の基準は、主に副作用の危険性。
第一類が、副作用の危険性が最も高く、第三類が最も低いという分類です。
ちなみにそれぞれ販売出来る資格も指定されていて、一類は薬剤師のみ。
二類と三類は薬剤師か、登録販売者となっています。


この登録販売者(とうろくはんばいしゃ)とは、医薬品を店舗で売っている業者で、
第二類および第三類の医薬品を販売する場合、
2009年4月1日より必要となる資格のことです。
ただ資格の効力は改正薬事法の施行に合わせて6月1日からとなります。
第1回試験は、関東・甲信越地方で昨年8月12日に実施されたのをはじめ、8月中旬から10月下旬にかけて各地方で順次実施されました。
この資格を持てば、改正薬事法施行下でも、
ドラッグストアなど、薬局・薬店で一般用医薬品を販売することができます。
既に薬種商、つまり薬屋として営業している者は登録販売者としてみなされます。


分類の話に戻ります。
それぞれをイメージしやすいように分類されている薬を例に挙げてみると、
第一類は胃腸薬の「ガスター10」や発毛剤の「リアップ」など
第二類は風邪薬の「パブロン」や漢方薬の「葛根湯」など
第三類はうがい薬「イソジン」やビタミン剤、目薬など。

何となくイメージできましたか?

そして厚生労働省はこの分類を元に、第一類、第二類に関しては通信販売を禁止する
と、しています。



今まで処方箋のいらない一般用医薬品を買うのにインターネットや、
なじみの薬屋を利用していた方たちは、それがほとんど出来なくなってしまいますし、
そんな通信販売の利用を見込んで運営しているインターネットショップや、薬屋さん
ドラッグストアは売り上げが大きく落ち込むことになりかねません。
薬局・薬店の中には、常連の客には郵送や宅急便で届けているケースがあり、
中には売り上げの半分を占めるという実態もあります。
これでは通品販売の規制は廃業に追い込むような物です。


これには医薬品を電話、インターネットを用いて通信販売している業者は猛反発です。

商売あがったりですから、当たり前でしょう。

中でも楽天の三木谷社長はネット販売の規制強化に反対する署名を107万件も集めて
反対しています。

そこで、この改正薬事法検討会で、盛り込まれている通信販売の規制を
どう緩和するかについて話合われている訳なのですが、これが難航しているんです。


今回の薬事法改正、そして今スポットを当てている通信販売禁止の項目。
それがこれだけ議論されていて結果が見えてこない。

この通信販売禁止は、インターネットでの薬物、医薬品の購入による過剰摂取や
異常氾濫、副作用等へのケアが出来ないなどの理由で日本薬剤師会など9団体が最初に訴えました。
その意見を厚生労働省が取り入れたため、今回のような議論に発展しています。

ここからは規制論を唱える賛成派と、規制はやめてくれと撤回を求める反対派に分けてお話ししていきましょう。

ここで反対派は撤回か、もしくは規制緩和を求めています。
賛成派は、今のところ妥協する様な大きな動きはありません。
つまり、この問題を巡る検討会の議論は平行線のままです。

6月の施行まで2ヶ月を切り、状況は停滞しています。

ここから先、考えられる道はいくつもありますが、ちょっと考えてみましょう。

まずは一切の規制緩和無し。
こうなると大変なのは医薬品販売業者。とりわけ先に上げたように
ネットや電話での通信販売に売り上げの多くが占められている業者。
経営方針の転換を迫られるし、転換するにしても、通信販売という道はほとんど
断たれてしまいます。
そうなると、最悪廃業、この不況と言われるご時世に失業者が増える事も考えられます。
あくまでも最悪のケースですが。
もしこの方針に決定した場合、一部の反対派からは、
通信販売を禁止された事により憲法で保証されている職業選択の自由を奪われたとして国を相手に違憲訴訟を起こすという声も上がっています。

次に考えられる道は伝統薬のみ通信販売許可という選択肢。
伝統薬とは漢方薬や生薬の事です。
この種類の医薬品を扱っている業者は、店舗ではなく、
消費者に直接販売している業者が多いので、この議論が持ち上がっていますが、
これも一部の反対派から
「伝統薬もれっきとした医薬品だ。それだけ許可されるのは整合性がとれない」と
反発する声も上がっています。

三つめは、言うなれば規制妥協案。
現在厚生労働省が発表している規制のレベルは、
副作用の可能性が高くなく、薬剤師または登録販売者が販売することができる
第二類まで禁止、としています。
この規制のレベルを下げて、副作用の可能性が高く、薬剤師しか販売することが
できない第一類のみ禁止するという案。

今回の第二類までの規制案では、医薬品通信販売の商品のほとんどが
販売できなくなりますが、この妥協案で考えると、
現在商品全体の約9割は販売できる事になるので、
この案が折衝案として現実味を帯びているようです。
ただこうなると、分類をもっと細かく正確に組み立てないと、
「この薬は売っていいの?だめなの?」という様なトラブルが起きてしまいます。
さらに、本当は売ってはいけない薬を売ってしまった、というような問題も
起きてくるでしょう。
ただその分類のツメさえ誤らなければ、現実味ありますよね。

高齢化社会になり、医療費負担が増え、
病院に頼らず大衆薬を使おうとする人が増えると予想されます。
そんな流れで、一般用医薬品が氾濫し、これまで異常にアフターケアや管理が
出来なくなってしまう事は避けなければならないとも思います。
その一環の通信販売規制、だとは思います。
しかし、遠隔地の高齢者が電話やネットを通して、自分で可能なケアも
出来なくなるような規制は避けた方が良いのではないかと思います。


ちなみにもちろん今回の薬事法改正の注目点はこれだけではありません。
登録販売者の項目も新たに設けていますので、ドラッグストアで扱える医薬品の品目、
コンビニでどの程度扱えるようになるのか、という事も注目されていますが、
今回、番組ではこの一点に注目してお送りしました。

皆さんは今回のどう思いますか?
通販で薬を購入している方、薬を扱い、ネットや電話注文を受けて販売している方、
両方の立場の方が番組を聴いてくれていると思います。

何か意見があれば送ってくださいね。
[PR]
by djnoshutyou | 2009-04-10 21:37 | 日本のニュース